介護エトセトラ

要介護度低くても、認知症重度では在宅介護費が大幅増加 [2013年05月17日]
在宅介護のお金と負担 調査結果(5/13)《家計経済研究所》

 公益財団法人家計経済研究所は5月13日に、在宅介護にかかる費用と介護する家族の負担感に関する調査結果を公表した。
 調査項目は、(1)1ヵ月の在宅介護の高齢者のための費用(2)介護サービスの利用料(3)認知症の有無別費用。
(1)の「要介護高齢者のために1ヵ月に使った費用」(平均値・2011年10月)は、平均で約6万9000円。このうち、「介護保険の居宅介護サービス利用料」(介護保険1割自己負担分+全額自己負担分)は平均で約3万7000円、「介護サービス利用以外の費用」(おむつなどの購入や医療費など)は、平均で約3万2000円となっている。要介護度が上がるにつれて、介護サービス利用料が増え、最も低い要支援1では9000円弱、最も高い要介護5では約7万1000円と負担額に大きな差が見られる。
(2)では、(1)の「介護保険の居宅介護サービス利用料」要介護度1~5では、「全額自己負担分」が「1割自己負担分」の約2倍となっている。多くの世帯が、介護保険給付の範囲内(月額上限)でサービスを利用しているが、範囲以上の介護サービスを利用しなければいけない世帯等では負担が大きいことが分かる。
(3)の「認知症の有無別」(平均値・2011年10月)では、最も重い「要介護4か5で、認知症も重度」という世帯では、1ヵ月あたりの平均で約13万円と高額負担を強いられている状況だ。また、要介護度が低くても、「認知症が重度」の場合は、支出額が大幅に増えている。

軽度者への給付、市町村事業移管では地域格差考慮を  厚労相 [2013年05月15日]
田村大臣閣議後記者会見(5/7)《厚生労働省》

 田村厚生労働大臣は5月7日の閣議後記者会見において、70~74歳の患者自己負担についてコメントしている。
 70~74歳の方が医療機関にかかった際に、窓口で支払う一部負担は、健康保険法等の法律では2割とされている。しかし、従前の老人保健制度の一部負担が1割であったことなどを受け、現在、毎年の予算措置により1割に軽減されている。
 この点、安倍内閣は「平成25年度も1割軽減措置を継続する」こととしているが、医療保険の財政を預かる保険者や、財務省などからは「一刻も早く(25年度中にも)2割負担に戻すべき」との強い主張がある。
 この問題について、一部に「70~74歳の一部負担軽減措置廃止は、26年度以降とすることを政府が決定した」旨の報道がなされている。
 この報道に対し田村大臣は、「まだ何も決めていない。法律どおり2割負担にする場合には低所得者対策をとる必要があり、財源もからむので調整が必要だ」と述べ、今後、検討していく課題であることを強調している。
 また、介護保険制度改革において、「要支援者等の軽度者給付を介護保険から除外する」との考え方が、社会保障制度改革国民会議から出されている点について、「仮に介護保険の対象外とし、市町村事業とした場合には地域格差も出てくる。そのあたりも勘案して最終的な方向を議論していきたい」とコメントしている