介護に関わるQ&A

Q.介護保険とは何ですか?

A. 本格的な超高齢社会が近づくなか、介護を必要とする高齢者は増加の一途をたどっています。従来の高齢者福祉・医療制度では対応が困難になり、また、被介護者の家族に頼る介護では限界となった状況のもと、介護保険制度が生まれました。(2000年4月)
介護保険制度は介護が必要になったとき、利用者本人が自らの選択によってサービスを受け、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、高齢者の介護を社会全体で支えるために成立されました。
基本的な仕組みは、65歳以上の全国民と40~64歳の医療保険加入者から保険料を徴収し、原則的には65歳以上の要介護者及び要支援者に対して介護サー ビスを給付するというものです。要介護者は要介護状態に応じて決められた給付額の範囲内で、希望するサービスを1割の自己負担で受けられます。
詳しくは最寄りの行政区・市町村の担当窓口にてお尋ねください。

Q.2006年から介護保険法が改正されたそうですが?

A. 改正介護保険法が国会で可決成立し、2006年4月の施行されました。この法は 1.施設介護の給付抑制と 2.介護予防が目的となっています。このうち 1.施設介護給付抑制は2005年10月から先行して実施されました。改正の要点をご説明します。
施設介護給付抑制・・・介護保険施設の居住費相当分については、保険給付ではなく利用者負担となりました。入所の方はむろん短期入所(ショートステイ)も対象です。また、これらの施設で提供される食事+調理費相当分が、同じく利用者負担になりました。短期入所と通所介護(ディサービス)も対象となります。所得の低い方は負担額に上限を設け、負担の軽減が図られます。
介護護予防・・・軽度の要介護者を対象に新予防給付を導入します。身体機能の維持や向上をめざし筋肉トレーニングのサービスが組み込まれ、栄養改善指導や口腔ケアが受けられる予定です。現在、要支援と要介護1~5までの6段階ある要介護認定が、次のように代わります。要支援が要支援1、 要介護1が要支援2と要介護1に分かれ、要介護2から要介護5までは従来どおりです。介護予防はこのうち要支援1と要支援2の方が対象になります。
他にも毎年少しずつ改正されておりますので、詳しくは最寄りの行政区・市町村の担当窓口にてお尋ねください。

Q. 脳卒中の後遺症で、右手が利きません。外出先のトイレでズボンが床に落ちてしまい、床まで手が届かず苦労しています。

A. 衣服の滑り止めには輪ゴムが便利です。
ズボンはつるつるした布地や余裕のあるデザインだと滑りやすいので、できるだけそうでないものをおすすめします。かといって、きつすぎたり重ね着のしすぎはかえって脱ぎにくく不便ですよね。
そんなとき便利なのがゴムです。膝の太さくらいのリング状のゴムを2本作り、トイレの時に片足ずつ通して 膝のところで止めておくと、ズボンが落ちません。ただし、ゴムを着けたり外したりするときは、必ず洋式トイレ の便座に腰掛けて安定した姿勢で行ってください。

Q.ずっと寝たきりなので床ずれが心配です。

A. 床ずれは一度出来てしまうと治りにくいものなので、予防を確実におこなってい くことが大切になります。主な予防方法は下記の通りです。
2~3時間ごとの体位交代
寝衣、寝具及び身体の清潔の保持
寝衣、シーツにしわを作らない
たん白質、ビタミンの多い食事を摂取し、栄養状態を良好にする
水分補給

Q.母は、トイレが近くなるからと、自分で水分を控えています。高齢者の脱水は怖いと聞きますが、上手な水分の取り方はありませんか?

A. 水分を多く含んだ食べ物をさりげなくすすめてみてはいかがでしょうか。
果物やヨーグルト、ゼリーなどは水分が豊富です。おかずにとろみをつけたり、寒天寄せにするといった調理の工夫でもグッド。
脱水は、のどや皮膚が乾くだけでなく、動きが鈍くなったり、脳梗塞や心筋梗塞の引き金なります。こまめにおいしく水分を補給してみてはいかがでしょう。

Q.母は、毎年夏になるとおむつの中がムレたり、赤くかぶれたりします。今年こそ、きれいなおしりでいさせたいのですが、何かいい方法はありませんか?

A. もしかして、モレが心配だからと、何枚も重ねてつけていませんか?
紙おむつは通気性を考えて作られていますが、何枚も重ねているとムレてしまいます。それに、重ねたからといってモレないとはかぎりません。やはり、身体に合ったサイズのおむつをきちんとつけて、汚れたらできるだけすぐに交換するのが第一です。
冷房が効きすぎの部屋で厚着させているのも、ムレの原因ですよ。
肌をいい状態に保つには、入浴したり、熱い蒸しタオルで拭いて、肌も清潔にすることが基本です。それでも 赤くかぶれたりした場合は、勝手に薬などを塗らず、かかりつけ医や皮膚科の医師、訪問看護師さんなどに 相談してください。

Q.父(70歳)は脳卒中で倒れた後、閉じこもりがちになりました。外に連れだしたいのですが、本人が嫌がります。

A. お父さまの気持ちを大事にしながら、少しずつ距離をのばして足ならしを。 初めて外出するのはだれでも不安なもの。その気持ちを理解しながら、ご本人が「行きたい場所」に誘うのがポイントです。 食事、買い物、お花見、お彼岸の墓参り。。。。また、同じ病気のグループに参加するのもよい方法です。仲間同士で励ましあううちに 積極的に外出するようになる人も少なくありません。
介助者の方は次の4つの事に注意し、外出を一緒に楽しんでください。そうすればご本人も自信がついてくるものです。
(チェック1)
転倒や怪我に注意
片まひの方の介助(まひのある側に立つ)や車椅子の押し方について、病院の理学療法士らの指導を受けておきましょう。
(チェック2)
気温の変化に備えて一枚余分に
気温の変化が激しい季節は、着脱可能な上着や膝掛け、帽子が必須。首まわりを保温するスカーフも大活躍です。
(チェック3)
水分補給も忘れずに
お茶やレモン水、スポーツ飲料などをストローつきの水筒で。のどを潤すだけでなく気分転換にもなります。
(チェック4)
トイレの場所を事前に確認
異性を介助する場合は、身障者用のトイレがないと不便。公共の施設やデパートなどを調べておきましょう。

Q.紙おむつ代が医療費控除になるときいたのですが、教えてください。

A. 紙おむつ代の医療費控除の範囲は下記の通りです。
 
I . 医療費控除の対象者とは
  傷病によりおおむね6ヶ月以上にわたり寝たきり状態にあると認められる者
当該傷病について医師による治療を継続して行う必要があり、紙おむつの使用が必要と認められる者
税金を納めている者
II. 医療費控除の申請(確定申告)時に必要な書類は、初年度と2年目以降では違います。

初年度
紙おむつ使用証明書(医師の証明書)
10万円(または所得の5%)以上分の紙おむつ代・医療費・薬代などの領収書(1/1~12/31付けのもので紙おむつの使用者名と紙おむつ代である事が明記されたもの) 
2年目以降
公的介護保険の保険給付対象者(40才以上)が医療控除申請手続きをする場合、初年度の『医師の証明書』がなくとも『主治医意見書の写し(注1)』もしく『市町村が主治医意見書の内容を確認した書類(注2)』を使用することができます。(注:40才未満の方は、『医師の証明書』が必要)
10万円(または所得の5%)以上分の紙おむつ代・医療費・薬代などの領収書(1/1~12/31付けのもので紙おむつの使用者名と紙おむつ代である事が明記されたもの)